大友農園さんは北海道の西側、後志管内の南西部に位置する「蘭越町」にあります。「蘭越」の由来はアイヌ語の「ランコ・ウシ」が訛ったもので、桂の木の多い所という意味を持っています。
蘭越町は周囲をニセコ連峰等の山岳に囲まれた盆地地帯です。比較的温暖な気候ですが、冬は積雪量が多く特別豪雪地帯に指定されています。町の中央を道南最大の河川「尻別川」が東西約30kmにわたり貫流し、日本海へ流れ込んでいる自然豊かな場所です。
こちらが「尻別川」の様子。
尻別川は北海道を代表する名山として日本百名山のひとつに数えられる「羊蹄山」の麓の北側を流れ蘭越町で日本海に流れ込みます。1999年から2016年まで通算16回水質ランキング日本一になっており、その流域に広がる肥沃な土壌により、蘭越町は北海道でも有数の美味しいお米を育てる産地として知られています。
大友農園さんの田んぼの様子。山があり、田んぼの後ろには尻別川があるのがお分りいただけると思います。盆地地帯なので比較的暖かく、清らかな水を使用できることが美味しいお米を作るのに適した環境だそうです。
蘭越町がお米栽培に適した環境であることに加え、大友さんのこだわりももちろんあります。
お米はタンパク質の含有率が低いほど美味しいと言われています。タンパク質には水を通さない性質があり、ご飯を炊くときにお米が水分を吸収するのを邪魔してしまうのでタンパク質が多いお米は粘り気の少ないパサパサとした食感になってしまうそうです。タンパク質含有量を下げて美味しいお米をつくるために、収量は少なくなってしまいますが肥料の使用を抑えています。
そして、農林水産省が策定した「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」に沿って栽培された『特別栽培米』でもあります。特別栽培米とは以下のように決められています。
その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。
農薬や化学肥料を減らし手塩にかけて、美味しくて”より安全”なお米を栽培しています。
左側が8月に訪問した際の稲の様子。右側が9月の収穫時期に訪問した時の様子。
収穫時期の稲穂はしっかりと色付いて黄金色になり、実が入った重さで穂先が垂れ下がっているのがわかります。
こちらが収穫の様子。
コンバインを使って一気に刈っていきます。脱穀された状態でタンクに溜まっていき稲の部分は後ろから排出される仕組みになっています。タンクがいっぱいになったらトラックに入れ替えて倉庫へ運びます。
倉庫に運ばれ乾燥させて、籾摺り(もみすり)をするとこのように玄米になります。出荷前に精米機にかけ白米にして皆様のお手元に届きます。
倉庫には田起こしや代掻き(しろかき)に使用する大きなトラクターもありました!
車内は広く座席は衝撃を吸収するような構造になっていましたよ。長いと丸一日トラクターに乗っているので乗り心地は重要だそうです。
最後に田んぼに戻って昔ながらの鎌を使った方法で稲刈りをさせていただきました。まずは大友さんのお手本から。
根元から刃を入れて鎌を引くと簡単に収穫できました。
普段生活していると袋に入った状態の白米しか見ることがないので、私たちの手元に届くまでの過程をみれてより一層「いただきます」「ごちそうさまでした」と生産者さんを想って言えるような気がします。
蘭越町の素晴らしい環境の中で、大友さんが手塩にかけて育てたお米、ぜひ味わってください!