「ABYSSAL(アビサル)」さんは、遺伝子組み換えをしていない北海道産の砂糖と野菜を使ったスキンケア商品の開発・製造・販売をしている世界で唯一の会社です。近年は医療現場でも使えるスキンケアをコンセプトに開発を進めています。今回は開発者である幟立眞理(のぼりたて まり)さんに、開発のきっかけやこだわり・効能についてお話を聞いてきました。
幟立さんの娘さんが生まれた時からアトピー性皮膚炎を患っていたことが商品開発のきっかけ。当時、アトピーは今ほどよく知られておらず、病院にかかっても炎症を治める薬が処方されるだけだったそうです。患部の炎症がひどくなると色素沈着を起こし、皮膚は厚く硬くなっていく一方でした。思春期を迎えた娘さんの「私はこの身体でお嫁に行ける?」という言葉に胸が締め付けられたそうです。『なんとかしてあげたい』という親心とどうにもしてあげられない現実の板挟みのような状態でした。
東京で食品系メーカーで商品開発に従事していた際、携わった商品が東京国際ギフトショーでグランプリを受賞。その事をきっかけにアメリカの化粧品の原料メーカーからマーケッターとして仕事のオファーが。当時のアメリカはアトピーの先進国であったこともあり『日本では出来ない勉強ができ、スキンケアについて学べるのではないか』と考え、製造現場に入ることを条件に娘さんのため1から勉強する決意で渡米します。
アメリカで働きはじめ少し経ったある寒い日、研究員の同僚が「今日はお風呂に砂糖を入れよう。」と言った事に驚きました。理由を聞くと、体が温まってしっとりするのだそう。この一言が『砂糖をスキンケアに使う』とうい発想との出会いになります。当時のアメリカでは既にシュガースクラブはメジャーな商品でした。ただ、派手な色に着色されたザラメのように大粒なものが主流で決して肌に優しいとは言い切れない商品でした。砂糖に保湿効果があることがわかったので、誰もが使える肌に優しい商品を作るために研究を開始。最終的には特許を取って製造するまでになります。
アメリカでの開発時にカナダやヨーロッパ、日本全国から200種類の品種を集め比較試験を行ないました。その結果、北海道の甜菜(ビート)が世界で唯一遺伝子組み換えされておらず、誰がどんな畑でどうやって育てたものなのか全てを把握できるトレーサビリティが確立されたものだとわかりました。幟立さんはより安心して使用できる商品にするべく原料の産地である北海道に2009年に移住します。
そうして生まれたのが「スイーツスキンケア シュクレ」です。北海道産てんさい糖と植物性オイルのみを使った、防腐剤・合成香料・着色料不使用の無添加スキンケアアイテムです。毎日使っていただきたいから、お肌への優しさにこだわり100%食品由来の天然成分しか使用していません。
そして、肌への刺激を解消するために衛生管理、品質管理の徹底した自社工場にて独自の技術で砂糖の粒を0.25mm以下の微細な粒子に整えています。その小さな粒一つ一つに植物性オイルをコーティング。このため、肌ざわりは優しくなめらかで少しの水分でも粒が溶けやすく、肌への刺激を減少していますので敏感肌・アトピー肌の方にも安心してご使用いただけます。
安全性は医療現場でも実証済み。医療の専門家によって、2000人の赤ちゃんを対象に使用試験を実施し、試験結果は日本小児看護学会誌にも掲載されています。また、兵庫県立病院の NICU集中治療室(新生児集中治療室)で使用継続試験が行われています。本当に信頼して使えるスキンケア商品です。
幟立さんのお子さんのアトピーがきっかけで渡米し開発をはじめ、北海道移住をして完成した「スイーツスキンケア シュクレ」。アトピー性皮膚炎を患うつらさ、 また自身の経験から「自分の娘と孫には同じ思いをして欲しくない」 という願いのもとベビーラインも立ち上げます。
そしてこちらは医師と共に開発した「カラダキレイ」。ご両親やご自身の将来を見据えたときに介護・入院時など、入浴が困難な時の清拭やスキンケアに簡単に使える洗浄型の保湿ローションを作りました。医療現場でも砂糖は床ずれの治療薬に配合されるなど、効果は実証済みです。医療現場以外でも災害時に重宝されたり、感染症にも有効とされる成分が配合されているので一本あると便利な商品です。
大切な人のためを想っての研究のもと、こだわりの原料で開発された商品。安全性・効能共に実証されていますのでぜひ一度お手にとってみてください。