船岡商店(函館市)さんを訪問してきました。

昭和20年、函館周辺の生産者の一部が函館駅前広場の隅で野菜の販売をしていたのが始まりとされている函館朝市。その函館朝市の中で最も歴史の長いのが「船岡商店」さん。海産物全般を扱うだけでなく、オリジナルの加工品販売や併設されている「すずや食堂」でお食事の提供をしています。

函館朝市の老舗「船岡商店」さん

昭和20年、戦後間もない頃に函館周辺の農業生産者の一部が函館駅前広場の隅で野菜の販売をしていたのが始まりとされている函館朝市。朝市が現在の場所で始まった当初は5店舗しかありませんでした。その中の1つが「船岡商店」さん。最も歴史の長いお店です。現在の函館朝市は、敷地面積が3ヘクタールにまで広がり、約250店舗が軒を連ねる大きな市場となりました。蟹や鮭などの海産物や農家からの直送品など、鮮度の高い商品が買えるだけではなく、港にあがったばかりの魚介を使った海鮮丼などが味わえる食堂があり函館の観光には外せないスポットとなっています。

そんな函館朝市の中心から一本内側の道に入ったところに「船岡商店」さんはあります。こちらで海産物全般の販売と併設されている「すずや食堂」でお食事の提供をしています。

「船岡商店」さんの様子

入り口前では大人気アニメの格好をしたヒグマがお出迎えしてくれました。

お店に入ると、函館名物のイカ、塩辛、いくら、たらこ、カニ、昆布などの海産物がたくさん売られています。水槽には生きたままの新鮮なカニが入っていましたよ!お店に併設されている「すずや食堂」でカニを注文すると、この新鮮なカニを茹でてもらえるそうです。

船岡商店さんで年間を通して一番の人気商品が”鮭”。生物は冷凍して鮮度を維持し流通させるのが一般的ですが、何回冷凍されているかで味わいが全く変わってきます。ですので、船岡商店さんでは極力冷凍する回数を少なくするように工夫をしています。「見た目には違いがでないけれど、美味しいもの、買って良かったなと思ってもらえるものをお届けしたい。」と社長の船岡さんは話していました。

こちらはしっかりと乾燥させ味を凝縮させたホッケの開き。両側に骨が残るように捌くのが船岡商店さんのこだわりです。片面にだけ骨を残す捌き方をすると、焼いた時に骨がついていない方は身に直接火が当たり少し硬くなってしまいます。しかし、骨があることでそれを防ぎ、両面ともふっくらとした焼き上がりになる為より美味しくいただけます。

お食事処「すずや食堂」

奥には「すずや食堂」が併設されており、港にあがったばかりの新鮮な海産物を中心に厳選された食材を楽しむことができます。店内は広々としており、取材に訪問した10時頃でも食事を楽しむ方で賑わっていました。

ウニ、カニ、いくら、イカ、エビの乗った豪華な『海鮮五色丼』です。他にも50種類ほどのメニューがあり、迷ってしまうほどです。朝の6時から開店しているので朝食にも昼食にもオススメしたいお店です。

こちらは食堂で仕込んでいる特製の『ギンダラの味噌漬け』。質の良いタラを使用して、ただの味噌で漬けるのではなく、白味噌と金山寺味噌ともろみを独自でブレンドしたものに72時間漬け込んでいます。これ以上は教えられないという、前社長から受け継がれる秘伝のレシピです。

特別に店内で試食させていただきました。身はふっくらとしいいて、でも味噌に負けない旨味があり、お米が食べたくなる美味しさでした!

社長の船岡さんは「普通のことを普通にしてるだけ。」とおっしゃっていましたが、お話を聞いていくうちにその「普通」は「自信を持って売れる物だけ、そしてより美味しくて新鮮なものを安く提供する」という”想い”のこもったものでした。函館朝市の創業から変わらず営み続けているのは、購入者さんに喜ばれることを”当たり前”として続けてきているからなんだなと感じました。ぜひ一度、船岡商店さんの海鮮を味わってみてください。

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