ASUKAのチーズ工房(むかわ町)さんを取材してきました。

つながるマーケットではお馴染みのむかわ町!海も山も川もあり、自然が豊かな地域。
小坂農園さんのお米やアスパラ・四代目中沢農園さんのだるまいも・北上しいたけ園さんの椎茸・吉村燻製工房さんの鮭トバ、、、、つながるマーケットではたくさんの美味しいものを取り扱わせていただいています。

むかわの出店者さんの皆さんが口を揃えて「ASUKAさんのチーズ工房は行ったの?美味しいよ!」と言っていたこともあり、期待を抱きながら『ASUKAのチーズ工房』の北川飛鳥さんを取材させていただきました。

ASUKAのチーズ工房

2009年に開業したチーズ工房。飛鳥さんのご実家である毛利牧場で昔使用していた牛舎をリノベーションし、作業場と工房と熟成庫を緑に囲まれた中につくりました。

チーズつくりは基本的に飛鳥さんとお母さんのおふたりで行っています。お母さんはもともと牧場の仕事をしていましたが、工房が立ち上がってからは飛鳥さんと一緒にチーズを作っています。作っては味見をし、「今回のは発酵がうまくいったね」「少し味が変わったね」「次はこうしてみよう」など話し合いをしてより美味しいチーズ作りに励んでいます。

カビを使って熟成させるチーズ作りにとって重要な熟成庫。実は輸送コンテナを活用しています。「もし工房を移動するとなっても運べるように。この場所、この熟成庫にしか住まないカビがいるんです。10年使い込んだ熟成庫は私にとって宝庫なんです。」と飛鳥さんは言います。

チーズつくりのきっかけ

飛鳥さんがチーズ作りを始めたきっかけは、幼少期にまで遡ります。むかわ町は第一次産業が盛んですが、酪農家は4件ほど。「友達に飛鳥ちゃんの家の牛乳って美味しいの?」と聞かれても法律や制度の関係でお裾分けや販売が難しいのが現実で、美味しさを伝えられないもどかしさを感じていました。

お父さんが作る美味しい牛乳を何とか味わってもらえる方法はないかと加工や商品開発に興味を持ち始め、農業高校へ進学。そこでチーズ作りに魅せられ、江別市にある酪農学園大学に進学し食品加工について本格的に学びます。卒業後は酪農家が経営するチーズ工房の先駆者である大樹町の「半田ファーム」で3年間、チーズ作りや販売を学び独立しました。

むかわ町「毛利牧場」の牛乳を使用

チーズ工房のすぐ隣には、実家である毛利牧場が。カメラを向けると気配に気が付いたのか、牛舎から出てきた牛たち。かわいい、、、

むかわ町は縦長の町ですが、海側のこの地域は真夏でも30度を超える真夏日はほとんどなく、冬は雪の少ない温暖な気候。暑さに弱い牛にとっては暮らしやすい気候だそうです。人が食べても美味しい物が作れるんですから、牛たちの餌となる飼料も美味しく育つわけです。贅沢に美味しく栄養価の高い餌を食べて育った牛からは、年間を通して乳脂肪分の高いミルクが搾れます。そんな良い環境で、信頼できるお父さんが育てた牛のミルクを100%使用しています。

チーズ職人として、酪農家としての想い

チーズ工房をはじめて数種類のチーズを手がける中で、一番最初に作ったのが『はじめのチーズ』。「チーズ職人としては熟成が必要な手の込んだ、技術の必要なチーズを作りたいという想いがあります。」と飛鳥さん。こちらは熟成ならではのコクが感じられる一品で、実はご主人のお名前からネーミングしているとか。他には娘さんのお名前をつけている商品や、同じ名前の品種のトマトを使用したチーズもあり、家族愛が感じられます。

こちらは牛乳を固めでホエー(乳清)を取り除いている作業。この後、型に入れて重しをのせてはじめのチーズのホールの形にしていきます。

チーズ職人でもあり、酪農家でもある飛鳥さん。酪農家だけが知っている食べ方や食文化を知ってもらいたいという想いもあって「秘密のチーズ」を開発します。「何が秘密なんですか?」と尋ねると「それは手に取ってからのお楽しみ。」と。パッケージのそれも内側に、手に取った人だけが知ることのできる『秘密』が隠されていますよ。

むかわ町のこと、牛のこと、酪農家のこと、牛乳のこと、家族のこと、チーズのこと。様々なお話を聞かせていただいた中で、「牛も生き物なので食べるもの育つ環境でミルクの味は変わってきますし、年間を通しても夏のはあっさり冬のはコクが出るなど微妙な変化があります。それに加えてチーズの発酵も成分や気温で変化します。そんな中でごまかせないチーズ作りはやっぱり面白いです。」と言っていたのが印象的でした。

基本情報

ASUKAのチーズ工房
住所:〒054-0015 北海道勇払郡むかわ町汐見281
電話:0145-42-5416
WEB:https://asuka-cheese.com

関連記事