北大マルシェCafe&Labo(札幌市)さんを訪問してきました。

北大マルシェ Cafe&Laboは、札幌市の中心部から北に大きく広がる「北海道大学」の構内にあるカフェです。北海道大学の広さは約660平方キロメートルで、国内最大級の面積を誇る大学として知られています。学生だけでなく札幌市民の憩いの場にもなっていて、広大な敷地内でランニングする人や雪遊びをする子どもたちで溢れます。北大マルシェ Cafe&Laboも広い敷地内の正門近くにあり、よくある大学の学食ではなくて、市民や観光客が気軽に入れるカフェになっています。その大学構内で研究のために飼育される牛からとれる牛乳「北大牛乳」を使った商品やメニューが人気です。

そんなカフェでお話を聞かせてくれたのは、北大マルシェ Cafe&Laboを運営する会社、北海道農村研究所の副社長で商品開発も手掛ける宮脇 崇文(みやわき たかふみ)さん。ここが設立されたストーリーや宮脇さん自身のご経験や想いのお話を聞かせて頂きました。

宮脇さんのストーリー

札幌で生まれ、札幌で育った宮脇さんは、北海道大学の教育学部に進学します。宮脇さんの祖父は、北海道大学農学部の教授だったという縁もあり、幼少期の頃から北大が近い存在だったそうです。卒業後、保険関係の仕事に新卒で就き働いていたそうですが、北大構内で「北大牛乳」を使用したカフェや商品開発をしていきたいがやる人がいないという課題を聞き、「それなら私が!」と手を上げ、現職への転職を決めたそうです。飲食業界などでの経験が全くなかった宮脇さんにとって、カフェの運営や商品開発を一からスタートさせるのは、大きな挑戦であったと語ってくれました。

大都市札幌の真ん中にある北大農場で

北大農場は、北の大都市札幌のど真ん中にあります。北大の近くには大きなビルも立ち並んでいますが、北大農場になっている一角にはほかの牧場と変わらない草原が広がっていて、悠々と牛が暮らしています。この牛たちの歴史はとても古く、あの有名な「boys be ambitious!!」の言葉を残したクラーク博士が札幌農学校として北海道大学を開いた数年後に、初めて日本に輸入されたホルスタイン種の子孫だそうです。約150年の月日を経ても変わらずに受け継がれてきた血統の牛たちは、今もなお、研究の目的で飼育され日本の酪農界に貢献しています。

ここで飼育されている牛たちは、夏は牧草、冬は干し草を食べているため、季節によって牛乳の味に変化があるんだとか。夏は草原を思わせるような爽やかな味わいになり、冬になると少しリッチで濃厚な味わいになるそうです。ちなみに宮脇さんの好みの牛乳は「夏の味」。だったのですが、今年の冬の牛乳の味の出来はものすごくいいらしく、「冬の味」に浮気中とのこと。
経済動物である牛を放牧で育てることは珍しいそうで、日本で放牧を行っている酪農家さんは約15%しかいません。搾乳できる量が減ってしまうことが理由の一つにあるのですが、北大農場の場合は持続可能な酪農の研究の一環のために放牧という形で牛を育てています。
日本で飼育されるホルスタイン種でもっとも古く、放牧によってのびのびと育てられている牛から搾乳される「北大牛乳」は、とても希少性が高いです。

北大マルシェCafe&Laboについて

北大マルシェCafe&Laboは、2017年の8月に北海道農村研究所によって作られたカフェです。価値はとても高いのにあまり有名ではなかった「北大牛乳」をどんどん世の中に広げていこうというという想いで作られました。もともと、カフェと乳製品の開発を一緒に始める予定だったため、カフェの内装を改装する際に乳製品製造をする工房も一緒に作られたそうです。その工房で宮脇さんが一から研究を重ね作られたのが、アイスとチーズです。

宮脇さんが専門家にアドバイスをもらうことはありましたが、基本的には一人で論文などを読みながら材料の配合などを計算し開発。アイスには、北海道余市町にある北大農場で栽培したり、新たに開発した果実の品種が使われています。

北大マルシェでは、カフェの運営のほかに「北大牛乳」を北海道外でも味わってほしいとの想いからお土産の開発もしています。現在はバウムクーヘンとクッキーとマドレーヌが作られています。洋菓子の3商品は、札幌市内の洋菓子店とのコラボ商品として作られていて、バウムクーヘンとクッキーは札幌の名店「ドルチェ・ビータ」さん。マドレーヌは札幌の洋菓子店「アンシャルロット」さんです。アンシャルロットさんは、宮脇さんのご自宅が近く、小さいころから親しんでいたお店。この商品を開発しようと動きだしたときに、直談判しに行ったそうです。このお土産を開発するために、クラウドファンディングにも挑戦されたそうで、宮脇さんだけの想いではなく、北大の牛乳を広めたいという多くの人の想いも詰まっています。北大牛乳の味がしっかりとわかるように、シンプルで素朴な味付けに仕上がっています。お土産として非常に人気で、北海道外からくる方も購入されるそうです。

宮脇さんの「これからも様々な商品開発に挑戦したり、市内のほかのお店とのコラボ商品等も企画し、北大牛乳を広げていきたい」という言葉が印象的でした。北大マルシェCafe&Laboから始まる、宮脇さんと北大牛乳のこれからのストーリーも注目したいと思いました。

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