Joli Creer(北斗市)さんを訪問してきました。

北海道北斗市にある「Joli Creer(ジョリ・クレール)」さん。大正から昭和にかけて函館市にあった和菓子屋で修行を積んだ初代・佐々木善市さんが昭和8年に現在の北斗市に「末廣軒」を開業しました。そして、平成8年に店舗を移転する際、老舗和菓子屋の洋菓子ブランドとして「ジョリ・クレール」を開店。今回は四代目である佐々木善史さんにお話をお聞きしてきました。

創業は「末廣軒」という和菓子屋でした。

末廣軒の開店当時のお写真。

かつての北斗市はセメント製造が盛んで、工場で働く人たちで賑わっていたそうです。セメント袋の色がモナカの色と似ていることから、セメント袋を模した『セメンぶくろ』というあんこのなかに餅が入った最中を作りました。また、北斗市の上磯ダム奥にある釜仙境(かまのせんきょう)は、両側が断崖絶壁の函が半円状にカーブしながら500mほど続く秘境。その様子をパッケージに描いた白あん入り焼き菓子『釜仙境』という商品も作るなど、古くから地元に根ざしたお菓子でありました。現在においてもジョリ・クレールさんは、北斗市の特産品である「ホッキ貝」とお米「ふっくりんこ」をモチーフとした北斗市の公式キャラクター〈ずーしーほっきー〉や、函館の観光名所を型取った地域にまつわるお菓子を販売しています。

洋菓子屋「ジョリ・クレール」を開店。

北斗市の子供はみんなジョリ・クレールさんのケーキを食べて育ったと言われるほど、お誕生日やクリスマスなどのイベントから日常使いまで地元の方に愛されています。そして、地元のみならず函館市内などからも噂を聞きつけ足を伸ばして買いに来るという人気の洋菓子店です。なおかつ、平成16年からは全国の物産展への出店もスタート。日本全国で知ってもらうことで「函館・道南」のブランド価値も高まるのではないかという考えのもと各地の物産展にできるだけ参加するようにしています。

ショーケースにはたくさんの種類のスイーツが。どれもパティシエさんの創意工夫を重ねた自信作で、店舗にて作られています。「うちのパティシエたちはみんな商品に対する意識が高く、プライドを持って働いてくれている。」と佐々木さんは教えてくれました。そして、「コンビニなどで手軽にスイーツを買うことができる現代で、手を抜かずに本当に美味しいものを提供し続けなければならない。そのような状況で一緒に働くメンバーがこうやって働いてくれてとても感謝している。」とも。

店舗を取材させて頂いている時に店舗の工房では『もちもちシュー』にカスタードクリームを入れる作業をされていました。実は、最初はサクサクとしているクッキーシューの開発をしていたそう。しかし、時間が経つと特徴であるサクサク感が減ってしまうという壁に当たります。そこで発想の転換。もとからしっとりとしていても美味しいのではないかとアイデアが浮かびます。そして完成したのが、地元北斗市産のお米「ふっくりんこ」の米粉を使った『もちもちシュー』。米粉を使用していること、シューにカスタードの水分を吸わせるために一晩寝かせることで買ったすぐでも、お家に帰ってからも、お土産に持っていってもいつでも変わらない味・食感を楽しめる商品になりました。こちらは今ではジョリ・クレールさんの看板商品となっています。

特別に店内で『もちもちシュー』を試食させていただきました。手に持つとしっとりしていて、食べる前からカスタードがたくさん入ってるのが分かるくらいずっしりです。シューの口当たりは薄めの生地ながら弾力があり、中のたっぷり詰まったカスタードと合わさって本当に美味しかったです!佐々木さんも「美味しいでしょう?」とイチオシの様子でした。

製造工場の様子

工場も案内していただき、『チョコスフレ』を作っているところを見学させていただきました。北海道産の新鮮な卵、牛乳、バターが使用されています。そこへ、ベルギー産のチョコレートをふんだんに加え、リッチでコクのあるスフレに仕上げています。
       

焼き上がり冷凍された『チョコスフレ』が機械で包装されていきます。冷凍技術が向上したことで流通できる商品が増えたといいます。店舗と物産展などで販売している商品を全て合わせると100種類以上の数になりますが、総勢20人のパティシエ・スタッフで作っています。

地域の企業との連携

地域の企業と連携し、オリジナル商品の開発も行っています。例えば、お隣の七飯町(ななえちょう)にある「THE DANSHAKU LOUNGE」さんは地元が男爵いも発祥の地であることから、栽培と普及に尽力した川田龍吉男爵の功績を後世に伝えることを目的として設立されました。その一環として、男爵いもを使ったスイーツの開発をジョリ・クレールさんと一緒に行っています。男爵いもを使ったスイーツ開発は難しかったそうですが諦めず、チーズケーキとまんじゅうの2商品が完成しています。地域を大事にする姿勢はここからも感じ取れますね。

古くから地域で愛されている理由が垣間見える取材となりました。是非こだわりの材料で確かな技術と誇りを持ったパティシエがつくるジョリ・クレールさんのスイーツを味わってみてください!

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