『錦屋さいとう鮮魚』は北海道小樽市にある会社で、鮮魚の仲買や卸業、飲食店の経営をしています。長年培った目利きで吟味した魚を市場で競り落とし、とにかく鮮度にこだわって販売しています。創業時は小樽市の妙見市場(みょうけんいちば)に店舗を構えていましたが、2018年からJR小樽駅横の三角市場に場所を移動しています。今回は斉藤竜介(さいとうりゅうすけ)さんにお話を伺いました。
小樽市は札幌市から電車や車で移動しても1時間程度と近く、日帰りで観光する事ができます。古くから北海道有数の港湾都市として発展しており、主にガラス工芸、オルゴール、酒蔵で知られています。歴史的建造物が残っていたり、小樽運河や海鮮が楽しめるため観光地としての人気も高い街です。
JR小樽駅から徒歩2分のところにある三角市場。こちらは昭和23年頃に小樽駅前において7〜8軒の露天商がお店を出したのが始まりとされています。徐々に出店者が増えるに従って来客も増え、人々で賑わいをみせるようになり朝市として発展していきました。現在では15の店舗が軒を連ねます。
三角市場に入ってすぐ『錦屋さいとう鮮魚』さんはあります。お店の暖簾にある「買受人135号」というのが「競り(せり)」で購入できる業者の信頼の証。毎朝競りで目利きし、仕入れた新鮮な魚介を売っています。取材に訪問した日の水槽の中には、まだ生きたままのカニやホタテなどが並んでいました。
小樽地方卸売市場の競りの様子
1月下旬、取材に向かった日は朝5時45分に札幌を出発し、小樽へ向かいました。こちらは6時30分頃に撮影した小樽運河の写真なのですが、まだあたりは薄暗いです。北運河という静かなエリアに小樽地方卸売市場はあります。
市場のなかに入ると、続々と小樽近郊で揚った魚が運び込まれていました。年末年始と日曜祝日以外は毎日競りが行われますが、漁は天候に左右されるため、どんな魚がどれくらいの量入ってくるかは当日になってみないと分かりません。
競りが始まる前に魚の種類や量、状態などをチェックして回ります。私も同行しましたが、スーパーでは見かけないような大きさの魚や、珍しい魚がたくさんいて驚きの連続でした。
7時になると、カランカランカランと鐘が鳴らされて競りが始まります。威勢の良い声が飛び交い、その熱気に圧倒されてしまいます。何を言ってるのか私には聞き取れず、今競りにかけられている物は何なのか、いくらで売れたのか、誰が買ったのか全くわからなかったです(笑)
こちらのアンコウとカジカは、錦屋さいとう鮮魚さんが競り落としたもの。この後すぐに、卸先や店舗用に仕分けをし発送・配達をします。
錦屋さいとう鮮魚 店舗の様子
三角市場に入ってすぐ『錦屋さいとう鮮魚』さんはあります。毎朝競りで目利きし、仕入れた新鮮な魚介が店先の水槽に並んでいます。取材で訪問した日は、まだ生きたままのカニやホタテなどが並んでいました。そのほか、ウニや干物など様々な海産物が並んでいます。
この水槽の中から、大きさや色など、自分で選んだものを捌いてもらったり、焼いたりして店内で食べることができます。そうやって食べる食事は、より一層美味しく感じられますよね。
店内は、カウンターとテーブル席があります。お一人でもご家族友人とでも入りやすい作りです。店先の水槽から選ぶものだけではなく、焼き魚や汁物をはじめ、新鮮な魚を使ったメニューが楽しめます。
壁に描かれている絵は、お客さんに書いてもらったそうです。旅の途中で小樽に来ていた方で、斉藤さんが声をかけたことで仲良くなり、絵描きさんだと知ったそうです。他にも店の前を通りかかったお客さんや、商品を見る人とのコミュニケーションを絶やさずにいるところに、斉藤さんの人の良さを感じます。
競りの見学から店舗・会社の取材をさせていただく中で、斉藤さんには本当に丁寧に受け答えをしていただきました。魚の知識が少ない私に、魚の特徴や味わい、良し魚の見極め方を教えてくださり、地元小樽についてや未来の事、新しい挑戦についてなども話してくださってワクワクしました。
是非、錦屋さいとう鮮魚さんが小樽市場で直接買い付けをしたより良い新鮮な商品を味わってみてください。