武田鮮魚店(小樽市)さんを取材してきました。

北海道小樽市にある武田鮮魚店さんは、1963年に現在の社長である武田 哲幸さんのお父さんが朝里市場で創業したのが始まりです。今はJR小樽駅横の三角市場で鮮魚や干魚、自家製いくらなどの販売や、実際に食べられる食堂「味処たけだ」を営んでおり、地元の方から観光客まで多くの方に愛されているお店です。

JR小樽駅から徒歩2分のところにある三角市場。昭和23年頃に小樽駅前において7〜8軒の露天商がお店を出したのが始まりとされており、土地と屋根が三角の形をしていることから三角市場と呼ばれるようになりました。出店者が増えるに従って徐々に来客も増え、人々で賑わいをみせるようになり朝市として発展していきました。現在では15の店舗が軒を連ねています。

三角市場に入ると、両側に武田鮮魚店・味処たけだの黄色の看板が見えてきます。武田鮮魚店本店、支店、味処たけだを合わせて5区画分で営業しています。当初は本店の1店舗のみでしたが、他店が店仕舞をしシャッターが閉まっているのに寂しさを感じ小樽や市場を盛り上げたいという想いで店舗を拡大していきました。

進んでいくと「食べてみないかい!」「座って海鮮丼が食べれるよ!」「郵送できるよ!」と威勢の良い声が聞こえます。中でも大きな声が武田鮮魚店の2代目武田哲幸さんでした。私も試食させていただきました。

いただいたのはウニ!キレイな色がお分かりいただけますか?殻から取り出したウニを海水同等の塩水に浸した「塩水ウニ」は、本来の味わいを楽しめるので北海道に来た際には一度召し上がっていただきたい逸品です。

甘く濃厚で、舌の上でとろける……。おいしーーー!!!

そのほかにもニシン・ホッケ・水槽の中にはカニ・ホタテ・カキなどたくさんの魚介が並んでいましたよ。旬のものを取り扱っていますので、時期によってラインナップは様々です。

鮮度には自信があると言う武田さん。家業の手伝いをはじめた幼少期から現在までお魚一筋ですので、長年の経験を活かし競りで新鮮な良いものを仕入れています。

お店の一押し商品はキラキラで大粒の自家製いくら。元旦以外毎日漬けている武田鮮魚さん特製のものです。

年間364日いくらを漬けている武田さんの奥様 早智子さんにお話を伺うことができました。北海道では例年9月から12月まで秋鮭漁が解禁されています。早すぎると卵がまだ小さく、遅すぎると今度は固くなってしまうので、卵が大きく成熟してくる時期のものを仕入れて冷凍保存。それを自然解凍して毎日奥様が漬けています。醤油と酒のみでシンプルに味付けするのが武田鮮魚のこだわりで、素材が持つ旨味をしっかりと感じることができます。

武田鮮魚店の向かい側にある「味処たけだ」では、食事を楽しむことができます。朝7時から夕方16時まで営業しています。こちらで実際に食べて味を知って頂ければ、安心してお買い物できるのではと思い食堂を始めました。

メニュー表にはたくさんの種類の海鮮丼が並びます。ボリューム満点の焼き魚定食のほか、刺身や焼きものも単品で注文することができます。観光客の方はもちろん、地元の方も食事に使っていただいているそうです。

私はいくら丼とホタテ、ニシンの煮付けをいただきました!毎日漬けているイクラはプチプチですっきりとした醤油味。ひと粒ひと粒が大きく卵のコクも感じられとても美味しかったです。ホタテも大振りでプリプリとした食感が楽しめました。ニシンは春を迎える3月から5月、産卵するために北海道の沿岸に押し寄せることから「春告魚」と呼ばれています。濃いめの甘辛味で煮付けられた旬の魚は絶品でした。

お魚一筋の武田鮮魚店。長年の経験から新鮮な良いものを競りで仕入れ、小樽から直送いたします。ぜひ皆様にお召し上がりいただきたいです。

関連記事