札幌路地裏スープカリィ侍.(札幌市)さんを訪問してきました。

今ではラーメン・ジンギスカンと並び札幌名物になったスープカレーの専門店「札幌路地裏スープカリィ侍.」は、2007年北海道札幌市の路地裏に小さなお店をオープンしました。『僕らの創るカタチで、どこかの誰かが、笑顔になりますように。』と関わる人たちを笑顔にすることをミッションとして掲げ、現在では北海道・東京を中心に20店舗以上にまで増え、多くの方に愛されているお店です。今回は札幌路地裏スープカリィ侍.を展開する株式会社ソウルフラワー代表の川端 昌志(かわばた まさし)さんにお話を伺いました。

川端さんが飲食店をやろうと決めたのは20歳の大学生時代。どんな生き方をしたいのか、自分と向き合った時に「料理で人を笑顔にしたい」という答えに行き着きました。そして、『29歳までに飲食店を開く』という期限を付けた夢を決めます。大学卒業後から2007年3月に一店舗目を開業するまでの7年間は一般企業に就職していましたが、夢を叶えるために飲食店経営に必要な技能やお金のこと、料理のこと、1日1時間の時間を作り勉強してきました。「夢を叶えるためのこの時間は、大変と思ったことはなく、むしろ解らないことだらけで楽しかった。」と川端さんは言います。当時はカレーにこだわっていた訳ではなく、飲食店について勉強していくうちに「スープカレー」にたどり着きます。

店名にもある”路地裏”は一店舗目が住宅街の路地裏だったことに由来します。お店を探す楽しみや、本当にあるの?ここがお店?と言ったワクワク感も外食の醍醐味と考え場所を決めました。”侍”は川端さんの出身地である北海道士別市は、道内で読み方が同じ標津町と区別するため「サムライ士別」と呼ばれているところから取っています。店名の最後のドットマークには「飲食はお客さんとの一期一会。その一瞬をこころに足跡のように残したい。そして、それがいつか繋がって線になったらいいな。」という意味が込められています。。

侍.の中核を担うセントラルキッチン

北海道・東京を中心に20以上にまで増えた店舗のカレーの素となる命とも言えるスープは札幌市北区にあるセントラルキッチンで製造しています。全国各地どの店舗においても北海道の食材を活かしたスープが使われているので、いつでもどこでも同じ味が楽しめます。

玉ねぎ・にんじん・かぼちゃ・キャベツ・バナナ・ニンニク・生姜を1日煮込み、たっぷりと旨味が出たブイヨンを作ります。柔らかくなった野菜を漉して使用することでトロミが強く、完熟したバナナの果肉を入れることで甘さを引き出しています。別の鍋ではチキンレッグを煮込みます。札幌近郊の店舗用の仕込みです。火を入れる時間は10分程ですが、余熱で火を通すので柔らかく、スプーンでも食べられるくらいホロホロになります。ブイヨンとチキンレッグから取れた出汁を混ぜ合わせ、調味料で味を整えて完成です。この時点ではスパイスは入っていません。スパイスの香りを楽しめるよう最後の仕上げは店舗のキッチンで行います。このスープのレシピは川端さんが考案したもので、開業以来ブラッシュアップを続け進化し続けています。

札幌路地裏スープカリィ侍.平岸総本店の様子

2007年、一店舗目がオープンした場所の近くに札幌路地裏スープカリィ侍.平岸総本店はあります。古民家を改装したお店は、茶色や木を基調に落ち着いた雰囲気です。

テーブル席、カウンター席、小上がりと席のタイプは様々。お一人でも友人やご家族でも来店しやすくなっています。そして、お客様にとって特別な場所になれるよう、”非日常感”の演出にも力を入れています。机や椅子は、アンティークを中心に、一つ一つ思い出があるものを厳選。照明にもこだわっていて、空間ごと、席ごとで変化を付けています。壁にかかっている手書きのメニューボードなどからもお店作りに込めた想いが汲み取れます。

辛さやスープの種類・野菜の変更などもできるので、作り置きはせずにオーダーが入ってから作ります。セントラルキッチンから届いた素となるスープにスパイスを入れ一煮立ち。その間に揚げ物を仕上げていきます。一番美味しい状態で食べられるように、野菜の揚げ時間はしっかり見計らいます。何個もオーダーが続くとキッチン内は大忙しだそうですよ。

盛り付けをして完成!こちらは、チキンと1日分の野菜20品目とお米にチーズトッピングしています。野菜はなるべく北海道産・国産のものを使い、お米は川端さんの実家で作る[キララ397]を使っています。粘りの少ないお米の方がカレーには合うそうです。

飲食店を志した20歳の時の話から現在まで、お店のあり方やスープカレーの味わいについて沢山のお話をしていただけました。でも、それ以上に川端さん自身が心から料理が好きで、人を笑顔にしたくて、楽しくて仕方がないというのが伝わってきました。

札幌路地裏スープカリィ侍.をご自宅で楽しめるスープカレーのレトルトと、ルーカレーの缶詰、そして姉妹ブランドである点と線.のスパースラーメン。ぜひ一度お試しください。

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