SUVACO(札幌市)さんを取材してきました。

『SUVACO(すばこ)』さんは、北海道札幌市南区にあるキッズスペースを完備したお子さまと一緒にゆっくり時間を過ごせるカフェです。オーナーシェフ・パティシエの野坂 実紀さんの自宅の一階を改装し、子育て中のママたちを美味しいランチとスイーツで癒し、憩いの場になるようなお店を2015年にオープンしました。

北海道三大夜景の一つとして有名な藻岩山の麓、緑が豊かで豊平川が近くに流れる住宅地に店舗はあります。『SUVACO』という店名は、「子育ての場所」である鳥の巣箱のように、赤ちゃんが成長して巣立ってもまた次の世代の赤ちゃんのための場所であれるよう想いが込められています。シックで格好いいロゴですが、色使いはパステルグリーンの優しい雰囲気のおうちカフェになっています。

今回は店内で野坂さんにお話を伺いました。お店には家のように靴を脱いであがります。ローテーブルの近くには沢山のおもちゃがあり、遊ばせながら・赤ちゃんを寝かせながらご飯を食べることができるようになっています。自身も三人の子を持つ母親であり、「周囲の目を気にせずゆっくり食事ができる場所があればなぁ」という思いを反映しています。

サイズアウトして着なくなった子供服を他の方へ譲ったり、必要なものをいただいたりできる「お下がりBOX」があったり、ママさんたちのハンドメイドグッズを販売したり、、、、月に一回「夜SUVACO」を開催し子供を遊ばせながら悩みや不安・子育て情報を共有する場所を企画するなど、カフェだけではないコミュニティーの役割も担っています。

野坂さんのルーツは最初に働いたケーキ屋さんにあるそうです。趣味でイタリアン・カフェ・ケーキ屋さんの食べ歩きをし、評価とコメントを付けていました。その中で通っていた札幌市の製菓専門学校の近くに『絶対にココで働きたい!!』と思う衝撃の美味しさのケーキ屋さんを見つけます。働かせて欲しいと何度も足を運びましたが断られ、アルバイトの募集が出るのを待つことに。そして、募集がかかったと同時に応募し、晴れて採用され就職にいたります。厳しいこともあったけれど、技術やケーキに対する向き合い方、心のあり方、様々な事を学びました。

その後、何軒かのケーキ屋さんやカフェで働き製造担当者や責任者として経験を積んでいき『SUVACO』をオープン。使用する食材にこだわりつつも、甘いものは癒しや幸せをもたらしてくれるという考えのもと「心が豊かになれる」ということを大切にしています。

こちらのクリームパンは、『生クリーム&カスタード』と『純生クリーム』の2種類。店舗でも人気のある商品です。道産の小麦を天然酵母で発酵させて焼き上げたパンに、北海道産の生クリーム、牛乳・卵をふんだんに使ったカスタードが入っています。北海道の素材はやっぱり美味しいし、地産地消にも繋がるのならと道産のものを使うようにしています。特に生クリームはくどくなく、それでいてさっぱりとしすぎないのに感動し、何年も前から同じものにこだわって使い続けています。

焼き菓子にも同様に道産素材をふんだんに使用しています。大きめに作られているのは、『食べた時に「ほろっ」とさせたくて』と話す野坂さん。素材や味だけではく、焼き方、配合にまでこだわって口当たりまで考え尽くされています。取り扱っているチャイは、友人の紹介で知った「モクシャチャイ」という東京都目黒区にあるチャイ専門店の物。飲んでみるととっても美味しく、配合されているスパイスを見ると以前に野坂さんが自作のチャイを提供していた時のと全く同じでした!偶然の出会いに驚きだったそうです。自分が作らなくても、好みで美味しいものが世の中にあるのであれば、自分は自分にしか作れないものに専念しようと取り扱いを始めました。

三人のお子さんを育てながら『SUVACO』を切り盛りし、最近ではキッチンカーを出店したり、お弁当のデリバリーをするなど、コロナ禍においてもパワフルに活動を続けています。その中でもお客さんのことやパンやスイーツのこと、とっても大事に考えているのが伝わってきました。クリームパンやクッキーなど、「SUVACOの美味しいが詰まったBOX」で幸せを全国にお届けします。ぜひ一度召し上がってみてください。

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