小料理なごみ(北広島市)さんを取材してきました。

北海道北広島市にある日本料理店『小料理なごみ』さん。JR札幌駅から約25分のところにある北広島駅。その西口から徒歩4分の場所に、長崎さんご夫婦が2014年にオープンしたお店があります。店名には、ゆったりと静かな空間で旬のものを食すことで心身ともに和み、「明日からの活力に繋がる時間」をお過ごし頂けるようにとの想いが込められています。

北海道の食材にこだわった会席料理が楽しめ、お祝いの席はもちろんのこと、日頃のご褒美やパートナーや友人との特別な会食として様々なシチュエーションで利用できます。カウンター8席、個室6名様までのお部屋が3部屋となっており完全予約制にて営業しています。

オープンから3年でミシュランガイド北海道版2017に掲載されました。素材の質・調理技術の高さと味付けの完成度・独創性・コストパフォーマンス・常に安定した料理全体の一貫性という5つのポイントを総合的に評価された結果です。

そんなミシュランガイド掲載の日本料理店が手掛ける「きたひろジンギスカン」。開発の経緯やなぜ日本料理店なのにジンギスカンを選んだのか、様々な想いを大将の長崎努さんと女将の和恵さんにお聞きしてきました。

元々は札幌市内のホテルの和食料理店でお勤めだった大将。当時、同じお店で働いていた女将と出会います。食やお客様に対する考え方が共通していること、大将の料理の大ファンである女将の想いが合わさって日本料理店を開業するという夢を持ち始めます。札幌市でテナント物件を探していましたがなかなか良いご縁がなく、女将の生まれ育ったこの北広島の物件に出会って大将は直感で『ココでやる!』と決めたそうです。

北広島市は、北海道で稲作がスタートした歴史ある場所です。今や全国的なブランドとなった「ゆめぴりか」「ななつぼし」の先祖にあたる「赤毛米」は、1871年に中山久蔵(なかやま きゅうぞう)が作り始めました。現在は一般に流通しておらず、珍しいお米ですが、姿を変え「久蔵翁(きゅうぞうおう)」という日本酒として販売されています。この酒粕を使ったデザートを会席料理の最後にお出ししていたところ、とっても好評だったこと、女将の地元でありお店を開いた北広島の歴史を伝えるような名産品を作りたいという想いをかつてから抱いていたことで商品開発を始めます。

北海道のソウルフードであるジンギスカン。ラム肉を酒粕に漬けることで旨味を引き出し、ほのかな酒の風味がラム肉特有の臭みを取って、味をいっそう引き立てます。何度も試作を繰り返し、香りが強い「久蔵翁」のが特徴を活かした、フワッとほのかな甘い香りが残るように仕上げました。

北広島市のふるさと納税の返礼品として選ばれるなど、その美味しさをたくさんの方が知るようになってきました。たまに来店したお客様で会席料理で「きたひろジンギスカン」を食べたいという要望をいただくこともあるそうですが、ご自宅やBBQなどで”なごみの味わい”と北広島を楽しんでいただきたく企画開発した商品ですので店舗ではお出ししていません。「お出汁の香りで漂うはずの日本料理店が、ジンギスカンを販売するってちょっとイメージとは離れますよね。」と女将さんは微笑んで話します。

ラム肉の他に、北海道恵庭市の豚肉を漬けた「ブタジン」のご用意もあります。『小料理なごみ』の大将の確かな腕と北広島の歴史あるお米を使った酒粕で漬けたジンギスカンは一味違っていますのでぜひ一度味わってみてください。

関連記事